
オリックスは高配当かつカタログギフトがもらえる人気の高配当優待株です。
高配当と株主優待目的で保有している方は多いと思いますが、同時にコロナショックに見舞われ、不安に思いながら保有している方は少なくないでしょう。
そんな中、8月5日にオリックスの第1四半期決算が発表されました。
賛否両論あるかと存じますが、概ねホッとした人が多かったのではないでしょうか。
本記事では、今期見通しが未定ながら今期は高配当維持が期待できる理由を解説していきます。
オリックス株保有者および今後購入を考えている方の参考になると幸いです。
目次
今期は高配当維持の可能性大のオリックス。第1四半期決算から分かる高配当継続の理由を読み解く
上図のとおり、オリックスの第1四半期決算は減収減益。
ここまでは多くの方が予想していたと存じますが、重要なのはそのマイナス幅です。
売上-2%、純利益-27.7%という結果は、コロナの猛威を頑張って耐えた感があります。
この決算発表から読み取れるポイントは以下のとおり。
- 同じ景気敏感株の総合商社と比べるとかなり優秀
- 今期の配当性向は50%を公言。決算数字から高配当は維持できそう
コロナショック直後は、多くの方がリーマンショックの再現で株価が10分の1まで下がることを意識したでしょう。
しかし、現時点でそこまで暴落する可能性は低い見込みです。
同じ景気敏感株の総合商社と比べるとかなり優秀
上図は総合商社の2021年3月期の第1四半期決算です。
伊藤忠商事以外の多くは利益が半減以上、住友商事に至っては赤字転落する見込みです。
総合商社は景気敏感株と言われており、これまでのように景気が良いときは株価も配当もどんどん増えていきますが、反面不況に入ると弱さをみせます。
オリックスも基本的に同様の動きをします。
同業ではないにしろ比較したとき、現在総合商社No,1で明らかに他社との違いを見せている伊藤忠商事と同等の減益幅という結果は、オリックスに対しての安心感を与えてくれます。
尚、3メガバンクの銀行業と比較しても、オリックスの優秀さは見て取れます。
今期の配当性向は50%を公言。決算数字から高配当は維持できそう
オリックスは「今期に限り、配当性向を50%に引き上げる」と公言しております。
「配当金」とは言っておりませんので、業績次第では減配もありえます。
そこで、第1四半期の純利益をみると約500億円で、1株利益は約40円です。
単純に4倍したとき、純利益は2,000億円、1株利益は160円となります。
これまでの4半期ごとの決算を見る限り上期と下期で業績が偏ることはないようですので、この計算式でとりあえずは問題ないかと。
さらに1株利益160円の50%を配当に回すので、1株当たりの配当は80円ということになります。
前期の1株配当は76円のため、以上の理由で高配当維持が予測できるのです。
リーマンショックの再来は?悪夢の株価10分の1再来の可能性は?

今のところ、コロナショックの影響は限定的。
一時は毎日のように100円くらい下がり、「株価3桁は時間の問題」「リーマンショック同様、株価10分の1まで下がるのか」という不安を覚えた方は多いかと存じます。
もちろん、コロナの収束は数年単位でかかる見込みで、もう一度大きく株価が落ちてしまう可能性は大いにあります。
しかし、以下の観点から「リーマンショックのようにならないのでは?」と考えます。
リーマンショック時の2009年3月期は黒字を維持できた
リーマンショック時は多くの企業が赤字転落しました。
しかし、そんな中でもオリックスは黒字を維持することができました。
あれから12年、2020年になり同レベルの事態が起こりましたが、赤字転落どころか2,000億円程度の利益を見込める状況です。
これだけの利益を上げられるのですから、そんな企業の株価が10分の1になることは考えにくいです。
リーマンショックは金融危機。業種的にオリックスに直撃した
リーマンショックは金融危機で、震源地は金融業界でした。
オリックスは「その他金融業」になるため、敏感に反応しパニックになって売られすぎた感があります。
暴落は悪い情報が突然入り、さらにその情報のせいで未来が読めなくなったときに起こります。
そのため一時はコロナショックでパニック売りを起こしましたが、現状はどんなに新規感染者が増えても、ほとんど株価に影響を与えておりません。
コロナウイルスとオリックスは業種的にも直接関係性はないことから、もし株価暴落・減配ということがあるとしたら、単純に業績悪化(決算数字が悪い)のときでしょう。
オリックスの事業は多種多様。リスクが分散されている
オリックスの全事業実態を把握できている人は、ほとんどいないでしょう。
とにかく様々な事業を行っております。
そのため、どこかの事業で赤字を出しても他の事業の黒字で補填できると考えられます。
今回の決算発表では、リースや不動産は減益でしたが、保険や銀行・カードローンは増益でした。
多くの事業を行っているということは、リスクも分散できているということ。
このことが今回のコロナの影響を受けた決算でも、思った程の減益とならなかった一因と言えるのではないでしょうか。
終わりに
8月5日発表の第1四半期決算を見る限り、高配当や株主優待狙いの方は継続保有で問題ないでしょう。
これから購入を考えている方も現時点で配当利回りは5%を大きく超えており、すぐに購入しても問題ないレベルです。
しかし、先行き不透明な状況は続いておりますので、一気に買うのではなく暴落が起きたときに備えて少しずつ買っていくようにしましょう。