
配当生活を目指す場合、必ず購入を検討するのが商社株です。
どれも高配当ですが、結論から言って買うなら伊藤忠または三菱商事の2択です。
さらに1社に絞るとしたら、現状は伊藤忠です。
ここでは他の商社と比較しながら、伊藤忠がおすすめの理由を解説します。
目次
総合商社株はすべて高配当だが、伊藤忠がおすすめの理由を解説
もくじ
- 2020年3月期の7大総合商社を比較
- 直近業績が悪かった2016年3月期の上位2社を振り返る
- チャートからみても、伊藤忠は値上がりも見込める
- 価格が不安定な資源より非資源の比率が高い商社が有利
- リスクがあるとすれば中国への依存度 過信して多く買うのは禁物
- 商社の仕組みを理解するのは激難 初心者はスルーもあり
2020年3月期の7大総合商社を比較

上図を見れば一目瞭然。
伊藤忠と三菱商事が明らかに頭1つ以上抜けています。
伊藤忠は利回りの点では赤字により減配した丸紅の次に低いですが、それでも4%くらいあるため十分です。
市場全体が下がって4%台に入ったときに購入すれば、高配当と株価が戻ったときの差益の両方を狙うことができます。
直近業績が悪かった2016年3月期の上位2社を振り返る

直近では2015年(2016年3月期)が、商社にとって試練の年でした。
上図のとおり、業界トップの三菱商事が赤字に転落した一方で、伊藤忠は2,000億円以上の純利益を出しております。
2015年は原油などの資源価格の下落と中国の景気減速が原因となり、多くの企業が減収減益・赤字転落となりました。
その中で伊藤忠は黒字をキープした実績があり、今回のコロナショックでもうまく対応できるのは伊藤忠の方ではないかと推測できます。
チャートからみても、伊藤忠の方が値上がりも見込める

上図は、伊藤忠の月足チャートです。
比較的右肩上がりとなっており、配当だけでなく値上がりも見込める形になってます。

上図は、三菱商事の月足チャートです。
2018年後半から失速し、赤枠でヘッドアンドショルダーの形になってしまいました。
セオリー通り下落が続いており、値上がり益を狙うのは難しそうです。
価格が不安定な資源より非資源の比率が高い商社が有利
2020年も原油先物価格がはじめてマイナスになるなど、資源価格の下落という2015年と類似するケースとなっております。
しかし、伊藤忠は以前から非資源分野に注力しているため、資源価格が下落しても一番影響が少ないと言われております。
この点が、現時点で商社株を買うなら伊藤忠を進める最大の理由です。
三菱商事も日本を代表する企業に変わりありませんが、資源価格が高騰するなど状況が好転してから買うべきでしょう。
リスクがあるとすれば中国への依存度 過信して多く買うのは禁物
伊藤忠の社員の多くは、中国語を話せます。
2018年に読んだ経済紙では、社員の1,000人以上が中国語を話せるとのこと。
このことから、伊藤忠が中国マーケットを重要視していることは明らかです。
そのため、中国経済が大きく減速するようなことがあると、業績に悪影響を及ぼすことはリスクとして考慮しなければなりません。
伊藤忠の株は購入していい株と考えていますが、あまり多くの資金を投じないことが賢明です。
商社の仕組みを理解するのは激難 初心者はスルーもあり
総合商社の仕組みは複雑で、すべてを理解することは非常に難しいです。
商社株を持っている個人投資家の大半は、「大手だから潰れない」「高配当」のいずれかを理由に購入していると思われます。
しかし、投資の世界では理解できないものに投資しないのが鉄則です。
理解できないものにネガティブニュースが出た場合、撤退するタイミングを自己判断できず、結果大きな損失を生む恐れがあるからです。
高配当だけを狙うのなら、NTTドコモやKDDIといった通信株など、身近に商品があって分かりやすいものから手を出すのが賢明です。
そのため、商社について理解が及ばないようなら、購入を見送るのもありです。
まとめ
- 商社株を買うなら、非資源に注力する伊藤忠1択
- 中国リスクがあるため、過度に投資するのは禁物
- 商社の仕組みに理解が及ばないなら、投資しないのも選択肢のひとつ
このように、商社株は高配当銘柄が多く魅力的に感じますが、資源価格の変動が業績に及ぼす影響が高いです。
そのため、株価の高いときに安易に買ってしまうと、今年の丸紅のように減配と株価下落のダブルパンチを食らってしまいます。
そんな中で伊藤忠は非資源分野に注力し、業界トップを狙える位置まで上り詰めました。
現時点では伊藤忠一択と言えるでしょう。
しかし、2020年はコロナショックの影響がいつまで続くか不透明です。
すぐに飛びついて買うことはせず、全体が下がり切るまで待ってから買うようにしましょう。