高配当株投資は、どうしても大型株に偏りがち。
そのため、リスクを分散するためには、いくつか中小型株も組み込んでいきたいところです。
その中で注目したのが、「日本エス・エイチ・エル」です。
配当利回りは3%前後で推移しており、それ程高くありませんが、業績および財務状況がかなり良い企業です。
「東証一部以外の銘柄をほとんど見ていない」という方は、スパイスの一つとして是非ご参考下さい。
隠れた優良高配当株を探すポイント
まず、「IR BANK」のサイトに入ります。
次に、左側に「ランキング」とありますので、その中の「企業ランキング」をクリックします。
ランキング項目の中に「増収増益」とありますので、そちらをクリックします。
※他にも「最高益」や「高利益率」など、別の方法で業績の良い企業を探すことも可能です。
飛んだページの下に最新の連続増収増益期間が長い企業順に表示されておりますので、ひとつひとつ確認していきます。
企業名をクリックすると左側に配当予想がありますので、そこが3%前後以上であれば詳細を確認しましょう。
リベ大の両学長の高配当株の探し方
いつもお世話になっているリベ大の両学長は、最初にYahooファイナンスの高配当順で検索します。
その後、「IR BANK」を使って業績や財務状況を確認しているようです。
先に配当利回りを見るか、先に業績の良い企業を並べるかの違いだけなので、やり方はどちらでも良いかと思います。
ただ中小型株の場合、業績が良くないと大型株より体力がないため、減配リスクが増します。
業績が良いこと前提と考えると、中小型株の場合は業績から見ていった方が良いかと存じます。
ちなみに、リベ大さんとコラボしている「こびと株」さんも、日本エス・エイチ・エルを推奨銘柄に挙げております。
(4327)日本エス・エイチ・エルの業績および財務状況
まず、日本エス・エイチ・エルは何を行っている企業かというと、
企業向け適性検査テスト、人事評価ツールと人事コンサルが両輪。マイナビと資本提携。
「株探」会社情報より
と概要に記載されております。
主な顧客は法人で、人事に関するツールを提供している企業のようです。
以下、業績および財務状況を確認していきます。
連続増収増益は2020年で11期目
2020年9月期(前期)が売上から利益まで、過去最高を取ってきております。
今期もわずかに増収増益見込みで、12期連続は目前。
仮に今期止まったとしてもコロナの影響があることを踏まえると、そこだけを切り取って投資適格でないとは言えないでしょう。
また、ROE18.17%、ROA15.64%と非常に高く、営業利益率も44.97%と非常に高い数字に。
悪い数字が見当たらないことから、業績面での心配は今のところありません。
自己資本比率は86%と非常に高い
次に財務状況で特筆すべきは、自己資本比率の高さです。
大型株では銀行やリースのように、自己資本比率を投資判断から除外される場面がありますが、中小型株の財務健全性の判断には重要項目です。
日本エス・エイチ・エルの自己資本比率は86%前後で推移しており、倒産リスクは極めて低いでしょう。
基本40~50%あれば問題ないとされております。
尚、フリーキャッシュフローも2014年9月期を除けば、すべてプラスです。
企業業績同様、財務状況も悪いところがほぼ見当たりません。
唯一の欠点はやや配当利回りが低いことか
配当利回りは3%前後と、現在においてはやや高いといった程度です。
配当利回り4%以上の銘柄多くあることから、配当利回りだけでみると魅力は少ないかもしれません。
しかし、右肩上がりに今後も業績が伸びていけば、株価が上がり増配もあるかもしれません。
株価が上がって増配しなければ売却益を得ればいいし、増配したら利回りが上がります。
日本エス・エイチ・エルのような、「そこまで高配当ではないけど、業績好調」といった企業は、値上がり益も取れておすすめです。
大型株では「伊藤忠商事」が同じような状況になっております。
配当利回りは高ければいいわけではありません。
目安の4%を割っていても、3%前後で業績の良い企業は常に注視し、業績に関係なく全体が暴落したときにあわせて購入する準備をしておきましょう。
終わりに
日本エス・エイチ・エルの特徴は以下のとおり。
- 11期連続増収増益。コロナ過でも安定感を見せている。
- 自己資本比率が約86%と財務は至って健全。
- 配当利回りは3%前後とやや低いが、値上がりや増配が今後も期待できる。
高配当株投資においては、どうしても大企業の銘柄が多くなります。
しかし、大企業であれば確かに倒産リスクは低いかもしれませんが、無理な配当を続けていると減配・無配に陥るリスクがあります。
大企業だから、高配当だからという理由のみでは失敗してしまうため、企業業績や財務状況の良い銘柄を選んでいきましょう。