この記事は、2007年から主に不動産業界にいる私が、
正直不動産(5話)
を視聴しドラマの中で出てきた専門用語を解説しております。
今回は
インスペクション(建物状況調査)
の話
さて最初に、私の不動産に関するプロフィールはこんな感じ↓
投稿者の不動産歴
私は現役の不動産賃貸の営業マン(宅建士持ち)
業界歴は約15年で、元付業者勤務になります。
客付業者にいたこともありますが、営業力は欠片もないのですぐ辞めました(笑)
今は手元にある物件だけで、のうのうと月平均100万円くらいの売上を上げております。
ドラマを見て
不動産屋の裏側って実際どうなっているの?
正直不動産を見て、不動産についてもっと深く知りたい!
といった不動産についての疑問や興味がある人は、是非読み進めていただければと存じます。
逆に
山Pが見れるだけで十分!!
って俳優やストーリ自体に興味がある人は、ご退場いただいた方がいいかも(笑)
さて、この記事では前述のとおり「インスペクション」について以下のとおり解説していきます。
ポイント
- そもそもインスペクションって何?
- インスペクションの費用はいくらかかる?
- インスペクションを行うことができる資格は?
- インスペクション合格によるメリット
- インスペクションすることのデメリット
この記事を読むことで、インスペクションに対する知識が身に着き、物件購入時・売却時に役立ちます。
また、不動産知識を深めまることで、よりドラマを楽しんで視聴することができるでしょう。
原作マンガもあるので、興味ある人はどうぞ👍
ドラマが好評でけっこう売れているようなので、アマゾンでなくなったら楽天など他サイトでお探し下さい。
インスペクションとは?
インスペクションのそもそもの意味は、「調査」「検査」
これを不動産業界では
ホームインスペクション
既存住宅状況調査
と呼んでいます。
2018年4月の法改正により、ホームインスペクション実施について不動産業者から説明することが義務化されました。
さて、ここでまず注意してほしいのは、あくまで実施された場合に説明義務があるということ
ホームインスペクションを実施すること自体は義務ではない、と覚えておきましょう。
次に、ホームインスペクションとはどういったものであるかは以下のとおり
ホームインスペクションとは
①建物に精通した建築士などが
②第三者の立場で
③劣化状況・欠陥の有無を調べる
④その調査結果を元に
⑤修繕・メンテナンスすべき「箇所・タイミング・費用」をアドバイスする
調査によって、
買い手側のメリット
- 買主は安心して物件を買える
- 将来の修繕にかかる費用や期間の見通しが立ちやすい
といったメリットが生まれます。
インスペクションの費用(相場)はいくら?
いろいろなサイトで相場が出ておりますが、おおむね
5~6万円が相場
ただし、この金額は目視のみの場合で、目視で確認できない箇所を
- 目視できない箇所をドローン撮影
- 目視できない箇所を破壊して内部調査
といった内容の調査をすると、10万円以上かかることも!?
あと、マンション・戸建てで違いも
- マンションの場合 → 面積に関わらず5万円程度
- 戸建ての場合 → 床面積の広さに応じて4.5~6.5万円程度
尚、一般人が購入するレベルの広さの戸建ては、4.5万円程度です。
インスペクションにかかる費用の負担は誰がする?
インスペクションにかかる費用は誰がするのか・・・明確なものはありません。
ただ、実施することでメリットが大きいのは買主であるため、基本的には買主が費用負担するのが一般的
尚、一部の不動産業者は、インスペクションにかかる費用を不動産業者が負担するケースもあります。
不動産業者が費用負担する条件としては
売主と「専任」or「専属専任」で媒介契約を結ぶこと
となることが多いようです。
専任または専属専任で媒介契約を結ぶと、成約すれば基本的にその不動産業者は売上になります。
売上(仲介手数料)は
売買価格 × 3% + 60,000円
となります。
もし買い手も見つけられれば、両手で売上は倍になります。
1回の契約で数百万円~1000万円以上もの利益になり得ることから、5~10万円程度の経費が乗った程度で
専任または専属専任媒介取れたら儲けもの
と考え、他の不動産業者と差別化を計るのは、買い手側にもメリットがあり良いことですね。
インスペクションを行うにはどんな資格が必要?
ホームインスペクションを行うには、
インスペクターになれる資格
- 建築士(1級・2級・木造いずれも可)
- 既存住宅状況調査技術者講習を受け、修了考査に合格する
の2つが条件
ちなみに、講習の費用は以下のとおり
新規時:21,450円(税込)
更新時:16,700円(税込)
試験は、日本建築士事務所協会連合会が開催しております。
インスペクションを仕事としてやってみたい人は、受講してみてはいかがでしょうか?
インスペクション合格によるメリット
ホームインスペクションを行い、晴れて合格判定をいただくことで、
メリット
- 買主への安心感を与えられる
- 瑕疵担保保険の付保要件のひとつになる
- 住宅ローン控除を受けられる
といったメリットがあります。
やはりこの中で最も買い手有利となるのは、
古い物件を購入しても住宅ローン控除を受けられること
通常
住宅ローン控除を受けられる条件
- 一般的な木造戸建て → 築20年
- 鉄筋コンクリート造のマンション → 築25年
上記より古い物件を購入しても、住宅ローン控除を受けられません。
しかし、インスペクションに合格すると、築年数に関わらず瑕疵担保保険を付保することで、住宅ローン控除を受けられるように!
住宅ローン控除の破壊力は抜群なので、これはよく覚えておきましょう。
ただし
旧耐震(1981年6月1日以前に建築許可を受けた物件)は耐震基準適合証明書も必要
になるので、合わせて覚えて下さい。
そもそも個人的には、
旧耐震物件は一番買ってはいけない条件
になります。
将来売却する場合、ものすごいデメリットとなるため、資産価値の面から旧耐震の物件はおすすめしません。
最低でも1982年以降に建てられた物件から、チョイスすべきです。
インスペクションすることのデメリット
ここまでホームインスペクションを行うことでのメリットをお伝えしてきましたが、デメリットも存在します。
ホームインスペクションのデメリット
- 費用と時間
- 欠陥がみつかったとき修繕費用がかかる
- 欠陥がみつかったため、値引き交渉を受けざるを得ない
ホームインスペクション自体は義務ではないため、欠陥が表面化されてしまうと
販売価格や購入意思
に影響を及ぼします。
もちろん、前述のようにコストや時間がかかることでもあるため、売り手にとってメリットばかりではないのです。
とはいえ、売却後に欠陥がみつかって請求されるよりは、事前に欠陥が分かった方が対処しやすいのも事実
築年数が古い物件については、やはりホームインスペクションを行うのが無難でしょう。
まとめ
最後に、本記事のまとめ
・ホームインスペクションは、説明義務はあるが実施義務はない
・費用は5~6万円、機材を使う場合は10万円を超えることも
・インスペクションに合格すると、築年数問わず住宅ローン控除対象に!
ただし、旧耐震の場合は耐震基準適合証明書も必要
・インスペクションには、費用や時間、欠陥の発見による修繕費の発生などデメリットも!?
まだまだ日本では根付いていないホームインスペクション
一部売り手にデメリットがあるものの、買い手側には住宅ローン控除の対象になる等、大きなメリットがあります。
ドラマを通して理解を深め、少しでも世間に浸透してくれるといいですね。
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