塩漬け株や長期保有している株を持っているなら、証券会社に貸して金利を得ることをおすすめします。
所持している株を貸し出すだけで、年利0.1~10%の収入が毎月月初に入ってきます。
ここでは、貸株の概要とほぼノーリスクながら一部ある注意事項を解説します。
貸株サービスを利用して、毎月金利を得る方法を解説
もくじ
- 貸株にメリットがある理由
- 貸株はほぼノーリスクだが、注意すべき点は?
- 長期優待がある株のベストな貸出方法は?
- 貸株の権利取得設定は「権利優先」がおすすめ
貸株にメリットがある理由
私も利用している松井証券では、2018年10月20日から貸株サービスがスタートしました。
2020年時点では、大手証券会社の多くで同様のサービスを行っています。
当初はよく分からずスルーしておりましたが、よくよく調べるとほぼリスクなしで金利を得られるメリットがあることが分かりました。
金利を毎月受け取ることができる
毎月月初に金利が入金されます。
配当金のように半年や1年ごとではないため、短期間で収入があることは大きなメリットです。
配当金・株主優待を受け取ることができる
株の貸出中、配当金や株主優待を受け取れないのでは、貸株はデメリットとなります。
しかし、貸株の3パターンある設定の中で「株主優待優先」または「権利優先」を選択することで、通常どおり配当金や株主優待を受け取ることができます。
ただし、「金利優先」を選択すると株主優待が受け取れなくなるため、優待目的で買った株を貸し出す際は設定しないようにしましょう。
尚、金利優先の場合は、配当金と同額の「配当金相当額」という名目で受け取ることとなります。
貸出中でも通常どおり売買することができる
株を貸しているため自由に売買できないように思われがちですが、貸出中の株も売却することが可能です。
高くなって値上がり益を得たい場合、下がってきて損切りしたい場合にすぐ対処できるため、売買の面で貸株がデメリットになることはありません。
貸株ほぼノーリスクだが注意すべき点は?
貸株する際、注意するべき点は以下の3点です。
①証券会社の倒産リスク
通常現物で持っている株は、証券会社が倒産しても保証されます。
しかし、貸株については投資者保護基金の対象外とされており、貸している証券会社が倒産したら戻ってきません。
とはいえ、貸株サービスは大手証券会社のみ行っているサービスのため、基本的にはあまり考慮しなくていいリスクと考えます。
最低限、持っている株すべてを貸し出すといったことがないようにすれば問題ありません。
②貸株金利は雑所得になり、確定申告が必要
通常配当金は特定口座で「源泉徴収あり」に設定すれば、確定申告をする必要がありません。
しかし、貸株金利は「配当所得」ではなく「雑所得」となるため、確定申告しなければなりません。
※配当金相当額として受け取った場合も、雑所得となります。
金銭的なデメリットではありませんが、普段確定申告をやらない人には手続きが面倒くさいというデメリットとなります。
③長期保有特典のある株主優待は要注意
以前の記事で紹介したクオカード優待銘柄の「日本取引所グループ(JPX)」を例として説明します。
こちらは1年以上保有すると、クオカードの金額が1,000円から2,000円にアップします。
しかし、貸株を行っている間は株主ではなくなるため、長期保有から外れ1年保有しても1,000円のままとなってしまいます。
折角何年も保有してグレードアップを楽しみにしていたのに、貸し出したために長期優待を受けられないのは非常にもったいないです。
長期優待がある株のベストな貸出方法は?
引き続き、JPXを例としてベストな貸株設定を検討します。
仮にJPXの株を500株所持しているとします。
この場合、500株すべてを貸し出してしまうと、1年後のクオカードは1,000円のままです。
JPXは100株で株主優待を受けられるため、グレードアップするためには400株を貸し出し、100株は手元に残すのがベストな貸出方法と言えるでしょう。
このように設定することで、配当金・株主優待・貸出金利を得ることができます。
尚、100株しか持っていないのなら、この銘柄については貸株を行わないのがベストな選択となります。
貸株の権利取得設定は「権利優先」がおすすめ
上図は松井証券の貸株の権利取得設定画面の一部です。
ご覧のとおり3種類から選べますが、基本的に権利優先を選びましょう。
金利優先だと、配当金・株主優待がもらえず、議決権がなくなり株主総会に出席することもできません。
また、配当金の代わりに配当金相当額を受け取れますが、雑所得になり手続きが面倒になります。
株主優待優先は一見問題なさそうですが、株主優待がないと権利確定日も貸出され続けます。
配当金・議決権等の株主としての権利がなくなってしまいます。
配当金は同じ額だったとしても、配当金として受け取る方がいいです。
また、最近は少なくなりましたが、株主総会のおみやげ目的の人は、間違いなく権利優先を選択するべきでしょう。
まとめ
- 長期保有や塩漬け株は証券会社へ貸出して金利を受け取りましょう
- 雑所得となるため確定申告が必要
- 長期優待株は貸し出さないか、一部は手元に残しておくべき
貸株は一部のリスクに注意すれば、ほぼノーリスクで収入をアップさせることができるサービスです。
サービスを受けるには口座開設とは別に手続きが必要となりますので、まだ貸株をやっていない人は、まずは手続きいただければと思います。
特にテクニックを必要としないため、長期保有予定の株や塩漬けしてしまっている株は、証券会社へ貸出して金利をゲットしましょう!