この記事は、2007年から主に不動産業界にいる私が、
正直不動産(10話)
を視聴しドラマの中で出てきた専門用語を解説しております。
今回は不動産管理会社に支払う
不動産管理の手数料
について
最初に、私の不動産に関するプロフィールはこんな感じ↓
投稿者の不動産歴
現役の不動産賃貸の営業マン(宅建士持ち)
業界歴は約15年で、元付業者勤務
客付業者にいたこともありますが、営業力は欠片もないのですぐ辞めました(笑)
今は手元にある物件だけで、のうのうと月平均100万円くらいの売上を上げております。
ドラマを見て
不動産屋の裏側って実際どうなっているの?
正直不動産を見て、不動産についてもっと深く知りたい!
といった不動産についての疑問や興味がある人は、是非読み進めていただければと存じます。
逆に
山Pが見れるだけで十分!!
って俳優やストーリ自体に興味がある人は、ご退場いただいた方がいいかも(笑)
さて、最終回ではライバルのミネルバ不動産が、登坂不動産の管理物件を引き抜くシーンがありました。
一般的に管理手数料は
賃料の5%
くらいが相場になります。
しかし、ミネルヴァ不動産は賃料の2%と破格の金額で、登坂不動産から引き抜いていきます。
果たしてこの金額は妥当なのか・・・
普段から管理の仕事もこなしている私が、経験から実情を解説していきます。
- これから不動産投資を考えている方
- 実家でアパート経営をしている方
上記のような方は、今後の管理会社選びの参考としてみて下さい。
不動産管理費の相場は5%
不動産管理は、シロウトが自らおこなうとメチャクチャ大変💦
・壊れた設備の修理手配
・家賃滞納者への督促
・騒音等のクレーム対応
などなど、とてもオーナー一人で行うことができません。
そのため、管理会社が間に入って、上記のような面倒くさい仕事を引き受けてくれます。
不動産管理費の相場
見出しにも記載のとおり、おおむね5%が一般的です。
正直不動産1話で取り上げられた
サブリース
この形態で管理する際の相場は、10%となります。
サブリースのメリット・デメリット 正直不動産1話を視聴した現役不動産営業の解説
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とはいえ、あくまで相場の話・・・
管理費は管理会社とオーナー間で自由に決めることが可能です。
ただし、
・管理費が高すぎると収入が減る
・管理費が低すぎると、不動産業者が割に合わなくなる
といったことになります。
そのため、ちょうどいい落としどころが5%になったのでは、と考えられるのですね。
不動産管理の主な業務内容
不動産管理の仕事は、多岐にわたります。
- 入居者の募集
- 新規契約の締結
- 更新契約手続き
- 家賃の集金
- 滞納金の督促
- 退去の立会および精算
- 原状回復工事の手配
- 入居者および近隣からのクレーム対応
- 設備不良の修理・交換手配
正直、管理手数料5%では割に合わない仕事量です💦
しかし、上記業務のうち
・新規契約の締結 → 仲介手数料
・更新契約手続き → 更新事務手数料
・原状回復工事の手配 → 利益上乗せ分
は管理手数料とは別に売上が見込めます。
これらを合わせると、仕事量に見合った売上になってくるのです。
ミネルヴァ不動産の2%は現実ではあり得ない
ドラマでは、ミネルヴァ不動産は管理手数料を破格の2%とすることで、登坂不動産から物件を引き抜きました。
しかし、現実ではこれっぽっちの管理収入で引き抜くことは
まずあり得ません!!
仲介手数料などトータル利益を見越して2%で管理している業者もあるかもしれませんが、正直私には無理です。
その理由は、数字にしてみるとよく分かります。
賃料総額1,000万円分の部屋を管理して月たった20万円の売上
仮に、管理している部屋の家賃総額が1,000万円だったとします。
1,000万円の2%って・・・
1,000万円 × 2% = 20万円
です。
社会保険料や経費を考えたら、従業員1人分の給料にもなりません。
相場の5%としても、50万円でこれでやっとこさ1人分の人件費といったところ
これを安いと捉えるか、仲介手数料や更新事務手数料も込みなら十分と捉えるか・・・考え方次第ですね。
管理の仕事はメチャクチャハード 管理費2%では割に合わない
管理業務は、私は正直割に合わないと考えています。
それは、管理業がただの流れ作業ではなく苦行の連続だから
・騒音のクレーム
・ゴミ出しルールが守られていない
・共用部に物が散乱している
といったクレームが、入居者とオーナーから毎日のように入り対応を迫られます。
さらに、管理戸数が多いと、毎日のようにどこかの部屋の何かが壊れ
エアコンの効きが悪いから直してくれない?
給湯器が壊れてお湯が出ないんですけど・・・
といった感じで電話が鳴り響きます。
設備の修理・交換は入居者とオーナーと板挟み!?
前述のような修理依頼がくると、だいたいオーナーと入居者間で板挟みになります。
高い家賃と管理費払っているんだから、さっさと直してよ
修理費用高いね・・・もっと安いところで見積取り直して
だいたいこんな感じです。
ひどいオーナーだと、入居者の使い方が悪いと言い張り、修理費用を渋ることも・・・
管理会社は、取り決めがあれば自らの判断で業者手配してしまいますが、
基本オーナー承諾が必要
そのため、オーナー承諾を取り付けることができないと、動きようがありません。
そして時は流れ、入居者からの苦情に発展してしまうんです!
安くて良い商品やサービスはそうそうない
もしミネルヴァ不動産のように、安価な管理費で管理を任せると、のちのち後悔するでしょう。
それは、ドラマで山Pが話していたように、安い管理費では従業員のモチベーション低下により、業務の質が落ちるから
このことは、自分の給料に置き換えると分かりやすいです。
給料下げられたら、仕事のやる気はなくなります
来月から給料半分ね
でも、仕事内容は変わらないよ
なんて言われたら、あなたはどう思いますか?
やる気はなくなり、仕事の成果も落ちるでしょう。
管理手数料もいっしょで、従業員が
たいして儲からないのに、なんでこんなキツイ仕事やらされるんだろ・・・
といった考えに陥り、管理の仕事がいい加減になっていくのです。
すると、
・共用部が汚れっぱなし
・クレーム対応がおろそかで、何もやってくれない
といった不満がたまり、いつしか空室が目立ってきます。
「適当な管理→クレーム増→空室増→悪い入居者増」負のスパイラルへ
管理がいい加減だといい入居者がどんどん退去していき、空室が目立ってきます。
そうなると、空室を埋めるため家賃や初期費用(礼金・敷金など)を下げざるを得ません。
すると、だんだんと入居者の質が悪くなります。
悪い入居者の例は
・夜中に人を集めて騒ぐ
・ゴミ出しルールを守らない
・家賃を平気で滞納する
といった感じ
こうして負のスパイラルが生まれるのです。
管理会社選びはコストの安さで判断してはいけない
管理をお願いするときは管理会社と
管理委託契約
を結びます。
契約書に記載されている内容をよく読んで、
・クレームが発生したとき、どこまで対応してくれるのか
・家賃滞納があったとき督促してくれるのか
・管理費、更新事務手数料などの報酬額は何%(いくら)か
などをよく確認してから、契約を結ぶようにしましょう。
A社よりB社の方が管理費安いから、こっちに頼もう!
などと、コストの安さのみで判断しないことがポイントです。
管理がいい加減だったら、すぐに管理会社の切り替えを考えましょう
もし頼んだ管理会社に不満が出てきたら、すぐに他の管理会社へ切り替えることをおすすめします。
管理委託契約は、賃貸物件の解約のように
通常1~2ヶ月で解約可能
実際何ヶ月前の解約通知かは管理委託契約書に記載があると思いますので、よく読んでみましょう。
まとめ
・不動産の管理手数料の相場は5%
・経験上管理の仕事は超大変!?2%じゃとても割に合わない
・管理手数料の安さだけで、管理会社を決めてはいけない
・サービスの質と合わせトータルで管理会社を選定しましょう
正直不動産は10話が最終回
この記事で、正直不動産に関する記事も最終回となります。
ただ、ドラマを通して
不動産知識が身に着いて、勉強になりました!
という声が多く聞かれたため、今後も不動産に関することを発信していこうと考えております。
また、ドラマは終了となりましたが、今後はネタバレ気にせず原作マンガを読むことが可能
ドラマでは取り上げられなかった知識も取り込み、今後ご自身の不動産取引に役立てていきましょう!
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