2020年5月18日、ソフトバンクグループの決算発表がありました。
2020年1~3月の最終損益が-1.4兆円以上!
この数字は、2011年1~3月の東京電力を上回る大赤字です。
市場はすでにソフトバンクグループの決算発表の数字が悪いことを想定していますが、問題はこの数字が想定の範囲内か否か?
そして、さらに問題なのがこれをきっかけに日経平均が再度下落してしまうことです。
なぜソフトバンクグループの下落が日経平均の下落再開となるのでしょうか?
ソフトバンクショック?これをきっかけに日経平均は下落再開となりそうな理由
もくじ
- ソフトバンクグループの日経平均寄与度は高い
- おそらく市場はここまで悪い数字を想定していない
- 最初の暴落から20,000円台まで戻して、市場も気の緩みがありそう
- 今後の対処方法 しばらくは様子見
ソフトバンクグループの日経平均寄与度は高い
日経平均に対する寄与度とは、個別銘柄の変動が日経平均株価へどれだけ影響を与えるかということ。
ソフトバンクグループはこの寄与度が高いため、もし翌営業日にストップ安にでもなろうものなら、日経平均にも少なからず影響を与えることになります。
尚、2020年時点で日経平均に対する寄与度が最も高い銘柄は、ユニクロで有名なファーストリテイリングです。
おそらく市場はここまで悪い数字を想定していない
上図はソフトバンクグループの3ヶ月ごとの決算実績です。
2019年7~9月期の7,000億の赤字でもかなりインパクトはありましたが、2020年1~3月期はこの倍以上の最終赤字をたたき出しました。
市場は決算が悪いことをある程度想定しておりますが、どんなに悪くても前々回に見た7,000億までではないでしょうか?
1兆円を超えさらに2011年1~3月期の東京電力を超える赤字までは想定しておらず、さすがにネガティブサプライズになるのでは、と考えられます。
最初の暴落から20,000円台まで戻して、市場も気の緩みがありそう
2020年5月のゴールデンウィーク明けから、地域によっては緊急事態宣言も解除され、コロナウイルスに対する気の緩みで外出する人が続出しております。
株式市場も24,000円から16,000円まで毎日のように1000円ずつ下落した恐怖は薄まり、するするっと20,000円を回復しました。
そして、今後しばらく業績が悪いことはすでに株価に織り込み済みで、なんとなく下落は収まり株価は上昇していくような雰囲気になっております。
ところが、ここにきてソフトバンクグループという日本を代表する企業がとてつもない額の赤字を出しました。
このネガティブニュースは、これまで言われてきた「ソフトバンクショック」となる可能性を秘めております。
上がるにしろ下がるにしろ、必ず何かしらきっかけが必要です。
今回のソフトバンクグループの決算は、日経平均を下げたい人からすれば絶好のきっかけになるのでは?と予想できます。
今後の対処方法 しばらくは様子見
過去の大暴落にさかのぼると、2000年のITバブル崩壊も2008年のリーマンショックも、下落が収まるまで1年半から2年半ほどかかりました。
この経験則に当てはめると、まだまだ今回のコロナショックは始まったばかりの可能性が高いと言えます。
しばらくは配当狙いや株主優待狙いの株購入は控えるか最小限に留め、少なくとも2021年後半までは様子見とすることが賢明です。
高配当銘柄の丸紅や小松製作所など、次々に減配が発表され、今期の見通しを発表できないでおります。
今期はさらに悪化する可能性があるので、単純に配当利回りが高いからという理由だけで買いに走らないよう注意しましょう。