本サイトでは高配当株投資を推奨しております。
高配当株の中でも、特に通信株はポートフォリオになくてはならない存在です。
本サイトでは度々通信株について取り上げ「NTTドコモ」や「KDDI」を推奨銘柄として参りましたが、唯一大手の「ソフトバンク」だけは非推奨としてきました。
その理由は主に「NTTドコモ」や「KDDI」と比較して、財務および業績が見劣りすることでした。
今回紹介する動画は、これまで本サイトで述べてきた理由に加え「なるほどな!」と思った点があったため、紹介させていただきました。
以下、これまでの非推奨の理由を交え解説していきます。
本記事で紹介する動画
第166回 高配当株を探そう!配当利回りランキング【2020年12月30日時点】【株式投資編】
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ソフトバンクは高配当株だが、おすすめできない4つの理由
2018年12月に上場した「ソフトバンク」ですが、他の通信銘柄と違い非推奨銘柄としております。
その理由は以下のとおり。
- 配当性向が85%と非常に高い
- 自己資本比率はわずか10%。有利子負債倍率も非常に高く借金が多い
- 同業のKDDIと比較すると一目瞭然
- 最大の理由は孫正義氏が手放した株であるということ
配当性向が85%と非常に高い
配当性向の計算式は、
1株配当 ÷ 1株当たり利益(EPS) × 100
です。
前期の1株配当は85円、EPSは99.3円(約100円)。
儲けの100円のうち85円を配当に出すため、配当性向85%と計算できます。
分かりやすく言い換えると、給料20万円の人が賃料17万円の部屋に住んでいるようなものです。
これではお金は貯まりませんよね。
通常配当性向の適性は、どんなに高くても50%程度です。
適正値を大きく超えていることから、何かしら理由があるにしろ数字上は配当を出しすぎていると言わざるを得ません。
自己資本比率はわずか10%。有利子負債倍率も非常に高く借金が多い
上図のとおり、自己資本比率が約10%非常に低いです。
自己資本比率の適正値は40%以上となります。
あわせて、有利子負債倍率5倍を超え非常に高くなっております。
上記を分かりやすく言い換えると、自分の貯金の9割は他人から借りた借金であるということ。
100万円銀行に預けているけど、90万円は他人から借りたお金で、いずれ利息をつけて返さなければならないとうことです。
この数字を見る限り、とても財務が健全とは言えませんね。
同業のKDDIと比較すると一目瞭然
では、同様の計算をKDDIと比較してみます。
前期の配当性向は、
115円(1株配) ÷ 275.7(EPS) × 100 = 41.71%
となります。
ソフトバンクの85%に比べて、かなり低く抑えられております。
これでも4%程度の配当利回りがあることから、十分な株主還元と言えるでしょう。
また、EPSおよび1株配当は年々上昇しております。
連続増配は19期連続となり、今後も緩やかに上昇する期待が持てるのです。
一方のソフトバンクは、EPSおよび1株配当は横這いです。
次に、財務を確認してみます。
やや自己資本比率は落としておりますが、おおむね50%前後で推移しております。
有利子負債も0.38倍と低いため、適正値です。
最大の理由は孫正義氏が手放した株であるということ
上記3点の理由は、これまでも他の記事で再三述べて参りました。
ここでは、4つ目の理由としてあらたに今回紹介動画を視聴して「なるほどな」と思った理由を追加します。
それは「孫正義氏が手放した株」であるということ。
孫氏程の人が手放したということは、ソフトバンク(携帯電話事業)ではこれ以上利益を伸ばすことができないと考えたからでないでしょうか?
携帯電話事業でまだ何倍にも利益を膨れ上がらせることができるのなら、まだ売らずもっと株価が上がってから手放すと考えられます。
その方が孫氏は多くの資金を調達することができますからね。
しかし、昨年の段階で売り出したということは、すでに携帯電話事業は頭打ちになったかそれに近い状況と判断したと推測できます。
思い返せば昨年、携帯料金値下げ圧力が政府からかかった際も、あまり孫氏が前線に出てくることはなかったと記憶しております。
紹介動画では、「高配当を餌に個人投資家がババを掴まされているのでは?」とありますが、正にそのとおりだと考えられます。
終わりに
このように、ソフトバンク株は高配当ですが、4つの理由から推奨できません。
通信業界の多くは高配当株投資において非常に優れておりますが、ソフトバンクに至っては手を出さない方が賢明でしょう。
また、ソフトバンクに限らず、動画内の紹介銘柄もJTを除き私も非推奨の銘柄です。
日本郵政なんてつい十数年前まで国のものであったのですから、不祥事があっても「高配当なら買おう」と考えてしまう方は多いかと存じます。
「高配当だから」「大手だから潰れない」と安易に購入せず、業績および財務状況を確認してから購入を検討するようにしましょう。
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