こんにちは、TAKASUGIです。
FP3級取得を目指して勉強中
難問だと思ったところを、手あたり次第に記事にしているとことです(笑)
今回取る上げるのは、不動産分野で頻出される
建ぺい率・容積率
の問題
面積にただパーセンテージを掛ければ解ける・・・だったらいいのですが、そう簡単ではありません。
単純に掛け算したら間違った!?
防火地域で建ぺい率緩和とか前面道路幅員で容積率がどうとか、意味わからん!!
こんな感じで、悩みを抱えている人も多いことでしょう。
この記事では、
・建ぺい率と容積率の違い
・単純な掛け算を邪魔する「建ぺい率の緩和」「前面道路幅員による容積率の制限」
について、分かりやすく解説します。
プロフィールのとおり、私は宅建一発合格の実績があります。
そして、何より現役不動産屋ですので、権威性は間違いないでしょう。
この記事を読んで、苦手を克服し、得点源に変えられるよう覚えていきましょう!
問題を解く前に:そもそも建ぺい率・容積率ってなに?
まず、問題を解く前に
建ぺい率と容積率の違いが分からん!!
という人は、まずそれぞれが何であるか覚えないと始まりません。
以下、小難しいことはすっとばして、分かりやすくお伝えします。
建ぺい率は土地の何パーセント使って建物を建てていいか
建ぺい率は
土地の何パーセントに建物を建てていいか
という数字
分かりやすく例えると
土地:100㎡ 建ぺい率:60%
とあったら
100㎡ × 0.6(60%) = 60㎡
と60㎡までは建物を建てるのに使っていいですよ・・・ってこと
なんでめいっぱい土地を使って建ててはいけないの?
想像してみて下さい。
すべての土地に建物がぎゅうぎゅうに建てられたら、どうなるでしょう?
もし1軒で火災が発生したら、たちまちそこら中の家に燃え広がりますよね?
そうならないために、建築基準法という法律で、
ある程度土地を空けておいて、火災が広がらないようにしましょう
と決められているのです。
容積率は建物の高さを規制
一方、容積率は
建物の高さ
を規制しています。
住宅地にいきなり50階建てのビルが建ったら、大変ですよね?
建ぺい率だけでは、上空に対する規制がなくなるため、
・隣近所の日当たりを確保
・人口増加の抑制
といった理由から、容積率で制限をかけています。
尚、人口増の抑制はピンと来ない人は、自分の家の前に急にタワマンが建ったことを想像してみて下さい。
いきなり何百世帯もご近所さんが増えるのだから、
自宅前が人でごった返し交通渋滞、近所のスーパー・コンビニは大混雑
ってなりますよね?
こういった理由でも高さ制限は重要なんですね。
容積率から建築可能な延べ床面積を求める
容積率はだいたい200%とか300%とか、100より大きい数字になります。
例えば
土地:100㎡ 容積率:300%
なら、
100㎡ × 3(300%) = 300㎡
となり、300㎡までの延べ床面積なら建てていいですよってことになります。
建ぺい率・容積率の問題を難しくする2つの理由
建ぺい率・容積率から建築可能な面積を求めるのは、単なる掛け算
しかし、以下の2つがこの問題を複雑化させております。
ポイント
- 防火地域と耐火建築物による建ぺい率の緩和
- 前面道路幅員による容積率の制限
防火地域と耐火建築物による建ぺい率の緩和
さきほど、建ぺい率の制限は
火災が隣近所に広がらないため
とお伝えしました。
なので、火災が広がりにくい地域、建物であるなら、
建ぺい率を緩和してもいい
という決まりがあります。
主に出題されるのは以下のとおり
・建ぺい率80%の地域で、防火地域かつ耐火建築物の場合、建ぺい率制限なし(100%)
以下は建ぺい率10%緩和(両方満たせば20%緩和)
・建ぺい率80%以外の地域で、「防火地域+耐火建築物等」または「準防火地域+耐火または準耐火建築物等」
・特定行政庁が指定する角地
正直、覚えにくいと思います。
何度も過去問を解いて、
・建ぺい率80%という数字を意識する
・防火地域と準防火地域、角地を意識する
ように練習しましょう。
3級なら、「特定行政庁が指定していない角地」のようなひっかけ問題は、まず出ないと思われます。
前面道路幅員による容積率の制限
普通は与えられた容積率と敷地面積を掛ければいいのですが、
前面道路が12m未満
の場合、指定容積率と前面道路幅員の制限より求められた
いずれか低い方の容積率
が適用されます。
特に実技試験では、指定容積率を掛けるだけの単純問題はまず出ません。
前面道路幅員の方の計算式を覚える必要があります。
ただ、掛ける数字は与えられます。
例えば、
敷地面積:300㎡ 指定容積率:400% 前面道路:5m
2021年1月出題から一部抜粋 出典:イチから身につくFP3級合格のトリセツ 速習問題集
前面道路幅員による容積率の制限:前面道路幅員×6/10
だった場合、前面道路幅員の計算は
5(m) × 6/10 = 3(300%)
となり、400%>300%となるため、300%が適用されます。
ここまできて、ようやくただの掛け算
300㎡ × 3(300%) = 900㎡
となり、延べ面積900㎡までの建物を建てられることが答えられました。
建ぺい率および容積率の実技試験の傾向と対策
過去問を見る限り、建ぺい率および容積率の両方の答えを求められます。
だいたい選択肢の数字はバラバラなので、どちらか一方が分かれば正解にたどり着けるでしょう。
そこで、
建ぺい率・容積率のいずれか計算しやすい方
を軸にして、計算するのがよいかと思います。
個人的には容積率の方を先に求めるべき
理由は
建ぺい率の方が防火地域や角地の文字を見落とす恐れがあるから
容積率は前面道路幅員だけ気をつければいいので、こちらの方が答えを導きやすいです。
まず容積率を求めて、それから建ぺい率を求める
のが最適かと存じます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
建ぺい率および容積率を求める問題は、ほぼ確実に出題されます。
ただ、不動産に携わっていない人にとって、意味を覚えるのも一苦労でしょう。
ただの掛け算で求められますが、以下の2点がその邪魔をします。
・防火地域や角地など建ぺい率の緩和
・12m未満の道路は前面道路の容積率制限
以上2点に気をつければ、ほぼ何とかなる問題です。
苦手を得意に変えて、得点源にできるよう何度も過去問を練習していきましょう!